ヤドカリの体
ヤドカリの体で最も特徴的な部分と言えば、やはり腹節でしょう。
この腹節は柔らかく、右にねじれています。
ヤドカリが利用する巻貝の多くは、そのほとんどが右巻きなので、その形に適応したものだと考えられています。
次に脚にも注目してしましょう。
「十脚目」と言う名称が表しているように、はさみや歩くための脚は5対、計10本ある訳ですが、
ぱっと見て目に入るのははさみ脚を含めて3対だけです。
最初の1対は「第1胸脚」で、これは「はさみ脚」ともよばれます。
次の2対が「第2・3胸脚」で、これは「第1・2歩脚」ともよばれます。
では、残りの2対は?と言うと、はさみ脚や歩脚に比べてかなり短く、
普段は貝殻の中に隠れていて見えないだけで、ちゃんとあります。
これら2対が「第4・5胸脚」になります。ここは先端がヤスリ状になっており、
貝を支えるに使われています。
ヤドカリの眼は昆虫と同じ複眼です。無数の個眼が集まって一つの複眼を作っています。
この眼は眼柄と呼ばれる柄に付いています。
視力はあまり良くないらしいのですが、水中でヤドカリの上を通るだけで体を隠す所をみると光に対しては敏感に感じているようです。
ヤドカリの触角は、あまり良くない眼の代わりとして非常に重要です。
触角は第1・2触角からなり、第1は眼と眼の間に有ります。
第2触角は眼の外側やや後方に有る長い触角です。
ヤドカリの雌雄はどのように見分けるのかというと、残念ながら外に出ている部分からは分かりません。
オスでは、第5胸脚の付け根に「生殖孔」という穴や「精管」という長い管が左右いずれか、あるいは両方に備わっています。
つまり「精管」がヤドカリの「ち○○」と言えるでしょう。
メスは第3胸脚の付け根に生殖孔がありますが、左右両方にあいている場合と左右どちらかにあいている場合があります。
種類によっては体の大きさで雌雄を見分けられる事もありますが、はっきりした事はやはりダイビング中では分かりません。